JICAで空手道を仕事にすることについて書いました。
まだ見てない方はこちら↓
では具体的にどのような段階を経て、渡航〜帰国までの手順を踏むかご説明します。
受験
JICA海外協力隊では、春・秋募集の年2回の受験ができます。
また春に受験したからと言って、合格後すぐに出発という訳ではなく、年に4回の派遣の中で都合の良い時期を選ぶことができます。
ですので、春募集を受けて来年の4月から活動開始もできるので、就活生や退職を考えている方は、早めの受験をオススメします!
またHPから現在募集の国・ミッションを探すことができます。
(一次)書類選考
志望理由や職種毎の専門知識を問う小論文作成が課せられます。
また健康診断の結果用紙も合わせて添付します。
一次試験の用紙は、公式HPからダウンロードすることができますので、一度見てみることをオススメします。
基本的にJICAの試験は”落とす試験”ではありません。
しかし半数以上が落ちているのが現状です。
落ちる要因としては、健康状態・小論文の論点のズレなどが挙げられます。
健康に関しては、持病がある方の合格率は低くなります。
理由は、現地で発作や発病した際の対応が困難だからです。
小論文に関しては、各都道府県のJOCAやJICAの職員に見てもらうのがいいでしょう。
筆者はJOCAの関西支部長にコンタクトを取り、何度も添削をしてもらいながら、書き方のポイントなどを教えてもらいました。
その他にもオンラインや現地で開催している、説明会や帰国者体験談などのイベントに参加することで、活動のイメージや受験の仲間を作ることができるのでオススメです。
(イベント参加した際は志望理由にもその旨を書き、「OBや職員の話を聞いて参加を決意した」などの文章を入れると、JICA側も好意的に受け取ってくれます。)
(二次)面接・実技
書類選考に合格すると、東京で行われる面接に移ります。
遠方であれば、飛行機のチケットやホテルの手配を行ってくれます。
面接は個人で行われ、試験官3名ほどと約5分間の質疑応答が取られます。
ネットでは、「ストレス耐性を見るための圧迫面接」などという記事が出ていますが、そんなことはありません。
淡々と質問をする雰囲気ですが、特に受験者を困らそうなどという意図はありませんので、ご安心ください。
内容は、志望理由・これまでの経験・派遣先で何がしたいか?など一般的なことばかりです。
時事的な話は特にありませんでした。
また派遣の希望国を聞かれる場面があるのですが、その際は”どこの国でも行きます”と答えると合格率が上がります。(特に志望する国がない場合はこう答えましょう)
職種によっては面談のみのものもありますが、制作物を提出したり、実技試験がある職種があります。
空手道や他のスポーツ種目は実技が行われます。
内容も基礎的な動きを見て、派遣に至るレベルと判断されれば問題なく合格できます。
派遣前訓練
試験に合格すると、派遣の前に70日間の訓練が行われます。
訓練と言っても語学がメインで、他には衛生学やテロ対策など、派遣後に必要な知識などを訓練で身に付けていきます。
派遣国によって、二本松(福島県)と駒ヶ根(長野県)に分かれて訓練が行われます。
ここでも、素行や語学のレベルが悪いと、派遣見送りとなってしまいますのでご注意ください。
訓練自体はとても楽しいですが、派遣見送りとなると再度訓練を受け直すことになるので、訓練機関中は語学の習得を頑張りましょう。(派遣後も役に立ちます。)
70日間の訓練を終えると、晴れて”訓練生”から”隊員”になります。
訓練終了後は2〜4週間の待機期間を経て、それぞれの国へ派遣されます。
なお待機期間中に、各都道府県へ表敬訪問が行われます。
派遣
派遣されると、最初の1週間は大使館訪問やオリエンテーションなどが行われます。
それが終わると、約1ヶ月の現地での語学訓練が行われます。
配属先に派遣されると、それぞれの配属先のやり方で活動が始まります。
配属先にはカウンターパートと呼ばれる、配属先のパートナーがおり、基本的にはその方に生活や仕事の手助けをしてもらいます。
JICAの義務としては、1年経過の中間報告と帰国前の最終報告、さらには全5回のレポート提出があります。
その他にも隊員によっては、ボランティア間の委員会や、JICAの公式ブログ(世界日記)の執筆など、様々な仕事があります。
また仕事外でいうと、年間20日間は国外旅行に行くことができます。
一時帰国することも可能です。
せっかく海外にいるので、周辺国に遊びに行くのも隊員の楽しみの一つです。
派遣前訓練で仲良くなった隊員の国に行くと、現地流の楽しみ方で案内してくれるのでオススメです。
帰国
帰国後は、JICAでの帰国オリエンテーションと各都道府県への表敬訪問を経て、完全に終了となります。
希望者はJICAのキャリア形成プログラムに参加することもでき、帰国後の就職や進学に迷われる方にも手厚くサポートしてくれます。
余談ですが、筆者が帰国時はちょうど東京オリンピックのボランティア募集の時期でした。
抽選になるなど、かなり応募が多かったようですが、隊員は特殊言語を話すことができるという点から、応募すればボランティアに参加できるなど、政府直結ならではの特典もありました。
さいごに
JICAの流れはご理解いただけましたでしょうか?
空手道でも海外でボランティアができるということを分かってもらえれば幸いです!
質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
筆者の繋がりで、ご紹介できるOBや職員もいるかもしれません。
いろんなツテをたぐって、ぜひ成功をつかんでください。